引用:「ケーキの切れない非行少年たち」より
認知行動療法は色々な人に適用できると私は思っていた。
現に私のうつ病も考え方次第で気持ちが変わったからだ。
しかし、それが適用しにくい人たちがいる。
それは「ケーキの切れない非行少年たち」だ。
※認知行動療法のオススメの本はこちらに書いている。
ということで、ケーキの切れない人たちがどんな人なのかと知りたかったのでこの本を読んでみた。
本書に書かれていることはこうである。
「ケーキの切り方がわからない」ような認知力に乏しい人は犯罪を犯しやすい。
そんな人を是正するためにはこんな教育が必要。
また、この本を読んで読者の怒りを少しでも同情に変えること。
非行少年の犯罪を減らして社会を豊かにすることが著者の最終目標である。
1章の最後に書かれていることだが、
そのまま本の内容全てに当てはまる。
なので第一章で書いてあること完結する。
第二章からはその具体例や補足について述べているだけ。
そのため全体を読んでみても第二章以降は正直単調に感じる。
見た目は立派だけど中身はスカスカでクリームの入っていないシュークリームのようだ。
第一章までは新しい知見が見いだせるが
それ以降は補足なので新しい見解を得ることは少ない。
タイトルが興味深いだけに内容がしょっぱく見かけ倒しだったのが残念。
でも後半の具体例でも「認知機能に問題がある人には認知行動療法は使えない」というのは分かったし、
「善悪の区別がつかない人に罪の重さや重大さを説いたところで通じにくい」のも確かに理解できた。
単調に感じた部分でもちょっとだけ面白かった部分もあったのが救い。
またそれ相応の職業(精神科医etc.)に就いている人は後半も面白く読めるだろう。
流し見して自分の考えを広げることはオススメできる。